Management Reality of Female Patients with COPD: A Multicenter Cross-Sectional CAP Study in Japan
COPD女性患者のマネジメントの実態: 日本における多施設横断CAP研究
背景
ヨーロッパや北米からの報告によれば、女性の慢性閉塞性肺疾患（COPD）患者は男性患者よりも症状の負担が大きく、死亡率も高いことが示唆されている。しかし、日本における女性患者のCOPD管理の実態についてはほとんど知られていない。
患者と方法
COPD Assessment in Practice study（これは横断的多施設観察研究である）のコホートを用いて、女性COPD患者の臨床的特徴を男性と比較した。
結果
1168人の患者のうち、133人（11.4％）が女性であった。女性の方が非喫煙歴が高かった（p<0.01）。年齢や1秒量（FEV1）%予測値には男女間で差はなかったが、mMRC呼吸困難スケールと頻回増悪者の数は女性の方が高かった（mMRC≥2：p<0.01；増悪回数≥2：p=0.011）。女性の平均肺活量およびFEV1値は男性よりも低かった（それぞれp<0.0001およびp<0.0001）。女性は長期酸素療法および吸入コルチコステロイドを使用する傾向が強かった（それぞれp=0.016およびp<0.01）。Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease（GOLD）グループB、C、D（ABCD GOLD 2017分類）およびE（ABE GOLD 2023分類）の有病率は男性よりも女性の方が高かった。
Figure 2 The percentage of female patients within each group of the GOLD ABCD classification (A) and ABE classification (B). The percentage of female patients was 11.4% in the overall cohort, 8.8% in group A, 12.6% in group B, 12.9% in group C, 18.8% in group D, and 17.6% in group E. The proportion of female patients increased in the more severe group. Female patients were more affected by the disease than male patients in terms of subjective symptoms and number of exacerbations.
結論
日本における女性COPD患者の病気負担は男性患者よりも高く、絶対的なFVCおよびFEV1の低さ、呼吸不全、および喘息様の状態など、女性特有の特徴を考慮した介入の重要性が示唆される。
