Nontuberculous mycobacterial pulmonary disease added burden to COPD and bronchiectasis in Japan
非結核性抗酸菌性肺疾患は、日本のCOPDと気管支拡張症の疾病負荷を増加させる
背景と目的
日本における非結核性抗酸菌肺疾患(NTM-PD)の有病率は世界でも最も高いとされている。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支拡張症はNTM-PD患者において一般的な併存症であり、これらの状態を持つ患者に対するNTM-PDの治療は困難である。日本においてNTM-PDが基礎疾患であるCOPDまたは気管支拡張症に追加的な負担をもたらすかどうかに関するデータは限定的である。したがって、本研究の目的は、COPDおよび/または気管支拡張症を持つ患者におけるNTM-PDに関連する追加的な負担を評価することにある。
方法
このネステッドケースコントロール研究は、JMDC株式会社(JMDC)の請求データ(2015–2020年)に基づいている。NTM-PDを持つCOPDおよび/または気管支拡張症の患者(ケース)は、年齢と性別を一致させた1対3の割合でNTM-PDを持たないCOPDおよび/または気管支拡張症の患者(コントロール)とマッチングされ、3つの相互排他的な患者群(COPD、気管支拡張症、またはその両方、NTM-PDの有無)を作った。NTM-PDの追加的な負担は、ケースとコントロール間のNTM-PD診断(インデックス)後1年間の入院を比較することによって各グループ内で評価され、単変量解析とインデックス前の併存症を調整した多変量解析の両方で実施した。
結果
3つの患者群における単変量解析は、ケースとコントロール間で一貫して追加的な入院負担を示された(例:COPD群では、492名のケースの20%が全原因による入院を経験し、対して1476名のコントロールでは13%が経験した。また、呼吸器関連の入院はケースで11%、コントロールで5%、COPD関連の入院はケースで6%、コントロールで2%であった)。その後の多変量解析でも、これらの結果がさらに確認された。
結論
COPDおよび/または気管支拡張症を持つ患者におけるNTM-PDに関連する入院の追加的な負担は、NTM-PDの適切な管理の緊急性を強調している。
