Association Between T2-related Comorbidities and Effectiveness of Biologics in Severe Asthma
重症喘息におけるT2関連の併存疾患と生物製剤の有効性との関連
景: これまでの研究では、生物学的製剤の効果に対する併存疾患の影響を調査したものの規模が小さく、期間も短かったため、生物学的製剤のクラスを比較することなかった。
目的: 重症喘息(SA)患者において、2型関連併存疾患と生物学的製剤の効果との関連を明らかにすること。
方法: このコホート研究では、21か国(2017~2022年)の国際重症喘息レジストリーデータを使用して、生物学的治療前後の4つの結果(年間喘息悪化率、予測FEV1%、喘息コントロール、および長期経口コルチコステロイドの1日用量)の変化を、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎(CRS、鼻ポリープ(NP)の有無にかかわらず)、NP、または湿疹/アトピー性皮膚炎の有無で評価した。
測定および主要な結果: 1,765人の患者のうち、1,257人が抗IL-5/5受容体療法を、421人が抗IgE療法を、87人が抗IL-4/13療法を開始しました。一般的に、併存疾患の有無にかかわらず、生物学的治療前後で評価された4つの喘息アウトカムすべてにおいて改善が見られた。しかし、併存疾患としてCRS(NPの有無を問わず)を持つ患者は、持たない患者に比べて年間の悪化率が23%少なく(95%CI、10~35%;P<0.001)、生物学的治療後の喘息コントロールが改善する確率が59%高かった(95%CI、26~102%;P<0.001)ことが示された。NPを併存する患者でも同様の推定がされ、悪化率が22%少なく、コントロールが改善する確率が56%高かったとされている。SAとCRS(NPの有無を問わず)を併存する患者では、予測FEV1%がさらに3.2%改善する(95%CI、1.0~5.3;P=0.004)傾向も観察され、これはNPを併存する患者でも同様であった。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の存在は、評価されたアウトカムに対する生物学的治療後の効果と関連していなかった。

結論: これらの結果は、併存疾患の系統的な評価の重要性を強調している。CRS(NPの有無にかかわらず)やNP単独の存在は、SA患者における生物学的製剤の効果の予測因子として考慮されるべきである。
