Deep Learning–Based Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation Prediction Using Flow-Volume and Volume-Time Curve Imaging: Retrospective Cohort Study
流量および体積-時間曲線イメージングを使用したディープラーニングに基づく慢性閉塞性肺疾患増悪予測: レトロスペクティブコホート研究
Journal of Medical Internet Research – Deep Learning–Based Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation Prediction Using Flow-Volume and Volume-Time Curve Imaging: Retrospective Cohort Study
バックグラウンド:
COPDは、持続的な気流制限と、呼吸困難、咳、痰の産生などの症状を特徴とする、一般的で進行性の呼吸器疾患である。COPD の急性増悪 (AE) (AE-COPD) は、疾患の進行の主要な決定要因である。しかし、FEV1など、主に呼吸機能測定に依存する既存の予測モデルは、呼吸機能検査に組み込まれた生理学的情報のほんの一部しか反映していない。近年のAIの進歩により、流量ループや体積時間曲線など、完全なフローボリューム曲線のより高度な分析が可能になり、増悪リスクに関連する複雑なパターンの特定が容易になってきた。
目的:
この研究は、臨床データとスパイロメトリー画像をAIを使用して統合した予測モデルが、臨床のみのモデルと比較して、中等度から重度および重度のAE-COPDイベントの予測精度を向上させるかどうかを判断することを目的としている。
方法:
2004年1月から2020年12月までの2つの教育病院のCOPDレジストリデータを使用して、レトロスペクティブコホート研究が実施された。この研究には、開発コホート(6870例)と外部検証コホート(3622例)に分けられた合計10,492例のCOPD症例が含まれていた。AI強化モデル(AI-PFT-Clin)は、臨床変数(AE-COPD、呼吸困難、吸入治療の病歴など)とスパイロメトリー画像データ(流量-体積ループおよび体積-時間曲線)の組み合わせを使用した。対照的に、Clin モデルでは臨床変数のみを使用した。主要アウトカムは、呼吸機能測定から1年以内の中等度から重度および重度のAE-COPDイベントとした。
結果:
外部検証コホートでは、AI-PFT-Clin モデルが Clin モデルよりも優れており、中等度から重度の AE-COPD では 0.755 対 0.730 (P<.05)、重度の AE-COPD では 0.713 対 0.675 (P<.05) の受信者動作特性曲線下面積が示された。AI-PFT-Clin モデルは、若年患者や以前に増悪していない患者を含むサブグループ全体で信頼性の高い予測能力を示した。AI-PFT-Clin スコアが高いほど、AE-COPD リスクの上昇と相関し (第 4 四半期と第 1 四半期の調整済みハザード比: 4.21、P<.001)、10 年間の追跡期間中、予測安定性が持続した。
結論:
AI-PFT-Clin モデルは、臨床データと肺活量測定画像を統合することにより、臨床のみのアプローチと比較して、AE-COPD イベントの予測精度を向上させる。このAIベースのフレームワークは、従来の指標では捉えられなかった生理学的異常を検出することで、リスクの高い個人の早期特定を容易にする。このモデルの堅牢なパフォーマンスと長期的な予測安定性は、プロアクティブなCOPD管理とパーソナライズされた介入計画における潜在的な有用性を示唆している。これらの知見は、特に従来はリスクが低いと考えられていた集団において、高度なAI技術を日常的なCOPD管理に組み込むことの有望性を強調しており、オーダーメイドの患者ケアを通じてCOPDの管理を改善することが可能となる。
