天気予報の用語について

今年も梅雨入りし、鬱陶しい日々が少しつつくと思いますが、天気予報をみていて、ふと使われている用語について定義を知らなかったので、少し調べてみました。

基本的な用語としては、

晴れ
雲が少なく、日差しがしっかりある状態です。空全体の雲の量が2割以下のときに「晴れ」と表現されます。

曇り
空全体の多くが雲に覆われている状態で、雲の量が9割以上になると「曇り」とされます。


空から降る水滴で、1時間に0.5mm以上の降水がある場合に「雨」と定義されることが多いです。


空の高いところで水蒸気が凍って氷の結晶となり、白くふわふわと降ってくるものです。気温が低いときに見られます。

霙(みぞれ)
雪と雨がいっしょに降っている状態で、冷たい水と氷が混ざったような降水です。雪が途中で溶けかけた場合などに発生します。

霰(あられ)
直径5ミリ未満の小さな氷の粒です。白くて柔らかく、手で押すとつぶれることが多いです。寒冷前線や積乱雲の影響で降ります。

雹(ひょう)
直径5ミリ以上の硬い氷のかたまりで、積乱雲(雷雲)から降ります。非常に硬く、大きいものは車や屋根を傷つけることもあります。


空気の急激な膨張により発生する光(稲妻)と音(雷鳴)の現象です。雷雲(積乱雲)によって引き起こされます。

風速
風の速さを表します。秒速(m/s)で計測され、10分間の平均値が一般的に用いられます。

気圧
空気の重さによる圧力のことです。高気圧・低気圧という形で現れ、天気に大きく影響を与えます。

前線
性質の異なる空気の境目のことです。前線の通過により天気が大きく変化します。代表例には「寒冷前線」や「温暖前線」などがあります。

降水確率
特定の期間(例:6時間や12時間)に1mm以上の雨や雪が降る確率を%で示したものです。

となっているようですが、じゃあ、雲が80-90%のときは晴れ?くもり?それともほかのいいかたがあるのか?どうなっているか疑問に思たので掘り下げてみました。

気象庁の分類では以下のようになっています:

雲量(全体のうちの割合)表現
0~1割快晴(快晴と発表されることは少ない)
2~8割未満晴れ
8~9割曇り(晴れの要素も含まれることがある)
9割以上曇り
10割曇りまたは雨・雪(降水があればそちらが優先)


つまり、80~90%の雲量では「曇り」と表現されることが多いですが、8割ぴったりの場合は「晴れ」と表現される場合もあります。そのため、予報では「晴れ時々曇り」や「曇り時々晴れ」といった表現が用いられます。

じゃあ、曇りの定義は90%以上ではなく、80%以上にすればいいのにと思うのですが、実は雲が8割や9割あっても、空の一部に青空や日差しが見えることがあって、人は少しでも日差しが差していると「曇り」とは感じにくく、「晴れ間がある」と多くの人が印象を持つようです。そのため、完全に日差しが遮られる90%以上の状態を「曇り」と定義することで、実際の印象に近づけているということです。また、WMO(世界気象機関)でも、「雲量が9~10割=曇り(overcast or mostly cloudy)」と定義されています。雲量8割は「partly cloudy(部分的に曇り)」または「mostly sunny(大体晴れ)」に相当します。

あとは、形容詞というか副詞というか、独特の用語があると思います。

「ところにより」は 一部の地域(全体の1〜2割)で現象が起こる。
「広い範囲で」は 多くの地域(全体の7〜8割以上)で起こる。
「一時的に」は 比較的短時間(1〜2時間程度)だけ現象が発生する。
「時々」は 一定の時間をおいて繰り返し発生する。合計しても長時間ではない。
「断続的に」は 途切れながら繰り返し発生。間欠的な現象。
「雷を伴う」は 雨や雪と同時に雷が鳴る可能性がある。強い現象に注意。
「強風 」平均風速が10m/s以上になる可能性がある。突風にも注意。

となっているようです。

一方で、天気予報ですが、予測する期間が短いほど精度が高くなるのが一般的です。
そのため、短期予報(1~3日先)のほうが、中期予報(4~7日先)よりも正確だとされています。

たとえば、1日先の天気予報の的中率は90~95%と非常に高く、気温や降水、風の強さなどもかなりの精度で予測できます。
3日先でも80~90%程度と高い信頼性があります。

一方で、5日先になると精度はやや下がり、的中率は70~80%程度です。さらに、7日先の予報になると60~70%程度に下がり、気圧の動きや前線の変化によっては予報が外れることもあります。

このように、予報の精度が下がる理由の一つは、大気の状態が非常に複雑かつ不安定で、時間とともに誤差が増幅する「カオス性」があるためです。
初期のわずかな予測誤差が、数日後には大きなズレとなって現れることがあります。

したがって、「中期予報の方が短期予報より精度が高い」ということはなく、1~3日先の短期予報がもっとも正確であり、日数が経つにつれて精度は徐々に低下していくのが現在の天気予報の現状です。

ということらしいですが、日本の平地では、年間を通じて「晴れの日」が全体の約60〜70%を占める地域が多いです。そのため、極端な仮定で「毎日晴れ」と予報すればいいのにと思いませんか?

現状では、仮に「晴れ」と予報して雨が降ると、市民生活への影響(洗濯・外出・イベントなど)が大きく、信頼を失います。逆に、雨と予報して実際に降らなかった場合も苦情が出ます。そのため、当たる確率だけでなく、予報の“損失リスク”も考慮がなされます。

また、天候は1日中一定であることが少なく、「晴れ」だけではなく、曇り・一時雨・時々雷など多様な表現が必要となります。つまり一日を通してずっと晴れとは限らず、「午前中は曇り、午後ににわか雨」といったパターンが多くあるということです。

そのため、正確な予報を出そうとすればするほど、単純な「晴れ」と言い切れなくなるのです。

最後に、気象予報士について調べてみした。

気象予報士は、気象庁の外郭団体である「気象業務支援センター」が実施する国家資格であり、天気予報に関する専門的な知識と技術を持つことを証明するものです。

まず、資格取得の難しさについてですが、気象予報士試験は非常に難関とされており、毎回の合格率はわずか4〜5%程度です。試験は筆記(学科)と実技に分かれており、特に実技では、実際の天気図や観測データを使って予報を組み立てる問題が出題されるため、高度な気象学の知識と論理的思考力が求められます。合格には理系大学レベルの基礎知識に加え、文章力も必要とされます。

次に、気象予報士の年収についてです。年収は勤務先や働き方によって大きく異なります。民間の気象会社に勤める場合は、一般的に年収350〜500万円程度とされており、公務員として気象庁に勤務する場合は400〜600万円程度になります。一方で、テレビなどに出演するフリーランスの気象予報士の場合は知名度や出演本数によって年収600万円〜1000万円以上となることもあります。ただし、これはごく一部のケースであり、多くの気象予報士は決して高収入とは言えない状況です。

そして、就職事情ですが、気象予報士の資格を取得したからといってすぐに職に就けるとは限りません。年間の合格者は100〜150人ほどいますが、実際に「予報業務」に就ける新規採用枠は非常に少なく、競争は激しいのが実情です。主な就職先には、民間気象会社、放送局、航空・海運会社の気象部門などがありますが、特にテレビ出演を目指す場合はアナウンス能力やタレント性も求められるため、就職倍率は極めて高いと言えます。

また、実際に気象予報士の資格を活かして予報業務に従事している人は、全体の3〜4割程度とされており、それ以外の多くの人は趣味や教養、教育、防災啓発活動など、本職以外の分野で知識を活用しています。

つまり、気象予報士は気象学に関心のある人にとって魅力的な資格ではありますが、取得後の進路や収入については慎重に検討する必要があると言えるでしょう。

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