Airway-Occluding Mucus Plugs and Mortality in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
COPDにおける気道粘液栓と死亡率
重要性
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者では気道粘液栓がよく観察されるが、COPDの患者における気道粘液栓と死亡率との関連は不明である。
目的
胸部のCTで確認される気道粘液栓が全死因死亡率の増加と関連しているかどうかを検討する。
デザイン
COPDの診断を受けた患者の遺伝疫学的COPDコホートのデータを前向きに収集した観察的後ろ向き解析。参加者は、ヒスパニック系以外の黒人または白人で、45歳から80歳までの者で、少なくとも10パック年の喫煙歴を有していた。登録患者は、2007年11月から2011年4月までの間に米国内の21のセンターで登録され、2022年8月31日まで追跡された。
暴露
胸部CTスキャンで完全に気道を閉塞している粘液栓を特定し、中枢気道(すなわち、約2mmから10mmの腔径)で特定し、0、1から2、または3以上の肺区画に影響を与えるとして分類された。
一次エンドポイント
一次エンドポイントは全死因死亡率であり、比例ハザード回帰分析で評価された。モデルは、年齢、性別、人種と民族、BMI、喫煙パックイヤー、現在の喫煙状況、FEV1、および気腫と気道疾患のCT測定値で調整された。
結果
COPDの4483人の参加者のうち、4363人が主要な分析に含まれた(中央値の年齢は63歳 [IQR、57-70歳]、44%が女性)。合計2585人(59.3%)、953人(21.8%)、825人(18.9%)の登録患者が、それぞれ0、1から2、3以上の肺区画で粘液栓を有していた。中央値9.5年の追跡期間中、1769人の参加者(40.6%)が死亡した。粘液栓が0、1から2、3以上の肺区画にある参加者の死亡率は、それぞれ34.0%(95% CI、32.2%-35.8%)、46.7%(95% CI、43.5%-49.9%)、54.1%(95% CI、50.7%-57.4%)であった。1から2対0、3以上対0の肺区画での粘液栓の存在は、死亡の調整ハザード比が1.15(95% CI、1.02-1.29)および1.24(95% CI、1.10-1.41)であった。
結論
COPDおいて、中枢気道を閉塞する粘液栓の存在は、胸部CTスキャンでの粘液栓がない患者と比較して、全死因死亡率の増加と関連していた。

