日本人はプラセボ効果が外国人と比べて高いのか?
外国人の定義があまりにもビックワードになっていますが、プラセボ効果は文化的、社会的、個人的な要因に影響される可能性があるのではないでしょうか?
プラセボ効果を規定する要因は多岐にわたり、心理学的、生物学的、環境的(文化面も含む)な要素が関与していることが研究によって明らかになっています。
・期待効果: 患者が治療から肯定的な結果を期待すると、プラセボ効果が強まることがあります。この期待は、以前の経験、他者からの情報、治療者の態度などによって形成されることがあります。
・条件付け: 患者が過去に特定の治療で改善を経験している場合、同様の状況下でプラセボを受けると、改善を経験する可能性が高まります。
・治療者との関係: 治療者の態度、信頼性、患者とのコミュニケーションは、患者の治療に対する反応に影響を与えることがあります。
・生物学的機構: プラセボ効果は、神経伝達物質(例えばエンドルフィンやドーパミン)の放出を刺激することによって生じることがあります。
プラセボ効果は、病態や症状に直接作用するというよりも、患者の知覚や反応に影響を与えることで間接的に症状を軽減することが多いといわれています。具体的にはエンドルフィンはプラセボによる痛みの軽減において重要な役割を果たすことが示唆されています。エンドルフィンは生体由来の鎮痛物質であり、プラセボ効果によってその放出が促進される可能性があります。また、セロトニンは、気分や痛みの認識に影響を与えることが知られており、プラセボ効果によってセロトニンの活動が変化する可能性があります。このほかには、免疫応答に関わるサイトカインやコルチゾールなどは、ストレスや心理的状態に応じて変化する可能性があり、プラセボ効果が免疫系に及ぼす影響と関連しているかもしれません。ただし、これらの分子標的に関する研究はまだ発展途上であり、プラセボ効果の正確な機構を理解するためにはさらなる研究が必要です。プラセボ効果は複雑な現象であり、その影響は心理的、生理的、環境的要因によって異なるため、これらの分子がどのように相互作用し、プラセボ効果を引き起こすかは完全には解明されていません。
プラセボ効果はよいことばかりではありません。DBTなどでもよく見られますがプラセボでも副作用は発生しています。また、「ノセボ効果」言われている負の作用もあります。ノセボ効果は、プラセボ効果の逆で、患者が治療からネガティブな結果を期待することで、実際に負の健康影響や副作用を経験する現象です。昔から、「病は気から」と言われているように、精神的な面も病気に大きくわかわっているということなのかと思います。
