「治療に関してはすべてお任せします」という患者の姿勢について

「治療に関してはすべてお任せします」という患者の姿勢は、特に高齢者の間でよく見られます。これは、医師への信頼、医療知識の不足、または治療選択に関する不安や迷いから生じるなどの背景が考えられます。一見、医療の専門家を信頼してお任せするのは正しいようにも思えますが、しかし、このアプローチにはいくつかの懸念点があると思います。

患者一人ひとりの生活習慣、価値観、治療に対する好みや期待は異なります。しかし、医師はすべてを理解しているわけではないので、「お任せ」の姿勢を取ると、患者にとって最適な治療計画が見落とされる可能性があります。
また、患者が治療選択に関する十分な情報を持たずに決定を医師に委ねると、後になって治療の結果や副作用に対して不満や不安を感じることがあります。
さらに、患者が自分の健康に関する意思決定に積極的に関与しないことは、自律性の欠如につながり、治療への満足度やアドヒアランスに影響を与える可能性があり診療に支障をきたすこともあるのではないでしょうか。

医療を受ける患者としては、「おまかせ」ではなく、まずは自分の体なので自分の健康に関する意思決定は積極的に関与する。不明点や懸念は医師に積極的に質問し、十分な情報を得ることが大切だと思います。

最近は、患者がその気になれば、web上に情報は山ほどありますし、そういうことが苦手なら、市町村で健康相談窓口はあり情報ソースには事欠かな環境が整っているといえます。

医療を提供する医師も、診療時間の制約はありますが、患者に治療オプション、それぞれの利点とリスク、期待される結果について詳細な情報を提供することが重要だと思います。そして、患者が自分の状態を理解し、情報に基づいた意思決定を行えるよう支援する。さらに患者と医師が協力して、患者のニーズと好みに合った治療計画を立てることが満足やアドヒアランスの維持に繋がるのではないかと思います。

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