OTC(市販薬)のCMで思うこと
誤解を招く広告を防ぎ、消費者を保護するために日本におけるOTC薬の広告に関する主な制限がかけられています。
具体的には、効果や安全性に関して誇大な主張や不正確な情報を提供することは禁止されています。薬の効果を過大に表現したり、存在しない効能を宣伝したりすることは許されません。
特定の疾患に関する表現の制限: 重大な疾患や特定の病気(例えばがんなど)の治療をうたうことは禁止されています。OTC薬は主に軽度の症状の緩和を目的としているため、重篤な病気の治療薬として宣伝することはできません。
医師や薬剤師などの専門家の推薦の制限: 医師や薬剤師などの医療専門家が製品を推薦しているかのような印象を与える広告は、誤解を招く可能性があるため、制限されています。でも、CMでは影響力のありそうな芸能人を使って、製品を推奨しています。専門家の推奨を制限するだけで本当に良いのか私は疑問に思います。
また、他の製品と比較して自社製品の優位性を強調するような広告も、誤解を招く可能性があるため、一定の制限があります。
一方で、薬の副作用や使用上の注意点を適切に表示することが求められます。消費者が安全に製品を使用できるように、リスクに関する情報は明確に伝える必要がありま。しかし、テレビCMでは、副作用やリスクについて詳細に言及することは一般的ではありません。これは、CMの時間制限や広告の性質上、製品の主要な特徴や利点を簡潔に伝えることに焦点が当てられるためです。安全性の情報は製品のパッケージや添付文書、公式ウェブサイトなど、他の手段を通じて、副作用やリスクに関する情報を提供することが一般的です。つまり、消費者は製品を購入または使用する前に、必要な情報を得るということになっています。
本当にそれでいいのか私は疑問に思います。鎮痛剤やH2ブロッカーなどでSJS、TENなどの重篤な副作用もまれではありますがOTC薬でも報告されています。しかし、消費者の殆どの方が知らないと思います。それについては説明書に書いてあるから許容されるというのは、もやもやします。また、オーバードーズのリスクについても情報提供が不足していると感じられませんか?消費者の安全に関わる重要な問題だとおもいます。
CMで詳しい説明はできなくても、医薬品である以上、副作用もゼロではないので、調子が悪くなったら「お医者さんにすぐ行ってね」くらいはCMでも流すべきだと個人的には思います。
私の結論は、OTC薬は症状の緩和には役立ちますが、症状の背後にある根本的な病態には対処していません。本来ならすぐに、少なくとも症状が継続する場合や重たい場合は、医師の診察を受けることが重要です。OTC薬の使用は、症状の性質と重さを考慮した上で、慎重に行うべきだとおもいます。
