Association of rest-activity circadian rhythm with chronic respiratory diseases, a cross-section survey from NHANES 2011–2014
目的 健康アウトカムとの関連で24時間の休息・活動特性を調査する研究が増加している。現在まで、慢性呼吸器疾患(CRDs)における休息・活動の概日リズムの役割に注目した研究は少ない。そこで、本研究の目的は休息・活動の概日リズム指数とCRDsとの関連を革新的に探求することで、このギャップを埋めることである。
方法 2011年から2014年の国立健康栄養調査(NHANES)から合計7412人の参加者を含む。休息・活動の概日リズム指数は加速度計のデータを使用して計算され、四分位数に分けてロジスティック回帰を実施。
研究対象 国立健康栄養調査(NHANES)は、アメリカ合衆国の国民代表サンプルに基づいた多段階、層別化された研究である。NHANESの詳細は他の文献で記載されている。本研究では、20歳以上で2011年から2012年、2013年から2014年の2サイクルのNHANESにおいて加速度計のデータを持つ成人を対象とした。参
基本特性 この研究では、参加者の平均年齢は48.54歳で、51.79%が女性、68.29%が非ヒスパニック白人であった。CRDsの有病率は、肺気腫が2.05%、慢性気管支炎が6.01%、喘息が15.35%であった。
結果 相対振幅(RA)の上位四分位に属する参加者は、下位四分位数に比べて肺気腫、慢性気管支炎、喘息の有病率が低かった。内部変動性(IV)の上位四分位数に属する参加者は、下位四分位数に比べて肺気腫の有病率が高かった。最も活動的な連続10時間期間(M10)の平均活動量の上位四分位に属する参加者は、下位四分位に比べて肺気腫の有病率が低かった。さらに、最も活動量の少ない連続5時間期間(L5)とL5開始時間の平均活動量の下位四分位に比べて、上位四分位に属する参加者は喘息の有病率が高かった。
結論 この研究は、一般的な米国成人人口において、休息・活動の概日リズムの乱れがCRDsの有病率の増加と関連していることを示した。
管理人注:
この論文で言及されている単位があまりなじみがないと思いますので、少し捕捉します。RA(Relative Amplitude)、IV(Intradaily Variability)、M10、およびL5は、休息・活動の概日リズムを評価するための指標です。
RA(Relative Amplitude):相対振幅は、一日の中で最も活動的な時間と最も非活動的な時間の差を示す指標です。この値が高いほど、日中の活動と夜間の休息の差が大きいことを意味し、概日リズムがはっきりしていることを示します。
IV(Intradaily Variability):内部変動性は、一日の中での活動パターンの変動を示す指標です。この値が高いほど、一日の中での活動の変動が大きいことを意味し、不規則な活動パターンを示します。
M10:最も活動的な連続10時間期間の平均活動量を示す指標です。この値が高いほど、その期間中の活動量が多いことを意味します。
L5:最も活動量の少ない連続5時間期間の平均活動量を示す指標です。この値が低いほど、その期間中の活動量が少ないことを意味します。
これらの指標は、人の日常生活における活動パターンや休息パターンを定量的に評価するために使用されます。概日リズムの乱れは、睡眠障害、気分障害、さまざまな健康問題と関連しているため、これらの指標は健康状態の評価に役立つ可能性があります。特に、慢性呼吸器疾患のような状態においては、これらの指標が病態の理解や管理に有用な情報を提供することが示唆されています。
