お口の匂い気になりませんか?
呼気の匂いは、体内の代謝プロセスや摂取した食物、健康状態、口腔内の状態など、様々な要因に由来しています。つまり、お口の匂いはいろいろな情報を含んでおり、気にかけておいたほうが良いといえるのではないでしょうか?
では、匂いの源はというと
まずは、考えられるのが、食物と飲料でしょう。にんにく、タマネギ、アルコール、コーヒーなど、特定の食物や飲料は呼気に特有の匂いを残します。みなさんも経験されていることと思います。
あとは、TVのCMなどでも盛んに宣伝されている口腔衛生です。歯垢、歯周病、虫歯などの口腔内の問題は、不快な呼気の匂いの原因となります。詳しく言うと、揮発性硫黄化合物 (Volatile Sulfur Compounds, VSCs):これらは口臭の主要な原因で、特に水素硫化物(H2S)とメチルメルカプタン(CH3SH)が含まれます。これらの化合物は、口腔内の細菌がタンパク質を分解する際に生成され、腐敗卵のような臭いを発します。それと、短鎖脂肪酸 (Short Chain Fatty Acids, SCFAs):酪酸(butyric acid)、プロピオン酸(propionic acid)、酢酸(acetic acid)などが含まれます。これらは細菌が食物残渣を分解する際に生成され、酸っぱいまたは刺激的な臭いを発します。後は、アミン類:カダベリン(cadaverine)やプトレシン(putrescine)などのアミン類も、口臭の原因となることがあります。これらは腐敗肉のような臭いを発します。
それから代謝プロセスなども影響がありそうです。体内での食物の消化や代謝過程が呼気の匂いに影響を及ぼします。例えば、低炭水化物ダイエット中にはケトーシスが発生し、呼気に甘いフルーティーな匂いがすることがあります。
言わずもがなですがタバコは口腔内と呼気に特有の匂いを残します。
意外なものとしては、特定の薬物やサプリメントは、呼気に独特の匂いをもたらすことがあります。一部を紹介すると、MSM(メチルスルフォニルメタン)やNAC(N-アセチルシステイン)などの硫黄を含むサプリメントは、呼気に硫黄の匂いをもたらすことがあります。また、よく服用される機会があるかもしれませんがビタミンB群、特にビタミンB6やビタミンB12は、呼気に特有の匂いを生じさせることがあります。アスピリンや他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):これらの薬剤は胃腸の問題を引き起こし、それが口臭の原因となることがあります。あとは、1型糖尿病の患者がインスリン治療を受けている場合、ケトアシドーシスにより呼気に甘い匂いが生じることがあります。
口臭を防ぐためには、良好な口腔衛生を維持することが最も重要です。歯磨きはむろんですが、舌苔のケアも重要です。それと、十分な水分を摂取することで口の乾燥を防ぎ、細菌の増殖を抑制します。あとは、過度の喫煙・飲酒、特定の食品は避けることで匂いはかなり抑えられと思います。それでも、口臭が続く場合は、医師や歯科医師に相談することが重要です。口臭は時に、歯周病や他の健康問題の兆候であることがありますのでご留意ください。
