Physical activity and outcomes in Japanese patients with chronic obstructive pulmonary disease: From the Ishinomaki COPD Network registry
背景 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、低い身体活動レベルは増悪リスクと全原因死亡率の増加と関連している。しかし、増悪頻度が低いとされる日本人集団におけるエビデンスは限定的である。本研究は、日本のCOPD患者における身体活動の影響について検討した。
方法 2018年4月から2020年7月にかけて、日本のCOPD患者のコホートにおいて前向き観察研究を実施した。特性、増悪の頻度、および1年間のフォローアップ期間中の死亡率を評価した。身体活動と結果との関係はロジスティック回帰分析によって評価した。
結果 安定したCOPDを持つ309人の患者(男性294人;中央値年齢75歳)が含まれ、307人がフォローアップを完了した。身体活動レベルが低い患者は年齢が高く、気流閉塞の増加、運動能力の限界、呼吸困難の増加、うつ状態、健康状態の悪化、筋力低下、疾患に関する情報ニーズの増加が見られた。身体活動レベルが高い患者は、活動レベルが低い患者に比べて、増悪リスク(入院を含む)が低かった(オッズ比[OR]、0.46;95%信頼区間[CI]、0.22–0.97;およびOR、0.21;95%CI、0.09–0.50)。高い身体活動は、全原因死亡率(OR、0.07;95%CI、0.01–0.55)および呼吸器関連死亡率(OR、0.16;95%CI、0.02–1.47)のリスク低減と関連していた。


結論 これらの所見は、増悪頻度が低いCOPD集団においても、高い身体活動がより良い臨床成績と関連していることを示している。
