喘息患者にとって冬場は浮遊真菌(カビ)の心配は無用でしょうか?

部屋の環境と浮遊真菌の関連についての情報は、環境科学、微生物学、および室内空気品質の分野で広く研究されていますので、ご存知の方も多いと思います。

もっとも重要なのが、湿度と温度です。湿度が高いと、真菌の成長が促進されます。特に、50%以上の湿度は真菌の成長に適しています。また、温度も真菌の成長に影響を与えます。一般的に、温暖な環境は真菌の成長を促進します。ということは、冬場の乾燥した部屋ではカビの心配は無用なのでしょうか?

残念ながら、リスクがないわけではないと思います。当然部屋の中は暖房器具で温めますし、加湿器で湿度を50-60%にされている方はいるのではないでしょうか?それだけでは、カビの増殖に大きな影響はないですが、ほこりや汚れが多い環境は、真菌の栄養源となり得ます。また、結露などで
湿った表面や壁にカビが生えると、空気中に真菌胞子が放出されます。換気が不十分な部屋では、真菌の胞子が空気中に滞留しやすくなります。あわせて、多孔質である木材の家具や建具、カーペットなど繊維質の材料は、真菌の成長に適した環境を提供します。一方で、生活の中でシャワー、料理、洗濯などの活動は室内の湿度を上げ、真菌の成長を促進する可能性があります。このように、冬場の乾燥した環境でもカビの心配はある程度したほうが良いのではと思っています。

自分でできる具体的な対策は、下記の3つです。

湿度の管理:除湿機やエアコンを使用して、湿度を適切なレベルに保ちます。
定期的な清掃:ほこりや汚れを定期的に掃除することで、真菌の栄養源を減らします。空気清浄機(HPAフィルター)で空気の掃除も有効です。

適切な換気:窓を開けたり、換気扇を使用したりして、室内の空気を新鮮に保ちます。

呼吸器系の疾患に罹患、特に喘息患者は、冬場は室内で過ごす時間が長くなるため、家のダニやカビなどのアレルゲンによる影響が増加します。また、空気が乾燥すれば気道への刺激が症状の誘発になりますし、かと言って湿気が多いとカビの発生につながりこれもトリガーになりえます。ほかにも、ウイルス感染などが喘息の症状を悪化させる可能性があります。

従いまして、適切な予防策を講じることで、喘息の症状をコントロールを意識することが重要だと思います。是非、実践して冬の季節を快適に過ごしください。

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