Prognostic value of the serum creatinine/cystatin C ratio in patients with chronic obstructive pulmonary disease
慢性閉塞性肺疾患患者における血清クレアチニン/シスタチンC比の予後予測
背景
サルコペニアは、骨格筋の萎縮と身体活動の低下によって特徴づけられ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一症状であり、予後が悪いことと関連している。血清クレアチニン(Cr)/シスタチンC(CysC)比は、全骨格筋量との相関に基づいて、サルコペニアのマーカーとして、またCOPDにおける予後指標として提案されている。本研究は、これらの患者における血清Cr/CysC比の予後決定因子としての有用性を評価することを目的としている。
方法
COPDの外来患者124名が本研究に参加した。参加者の血清CrおよびCysCレベルの測定した。生存時間分析が行われ、低および高血清Cr/CysC比群の死亡率を比較した。さまざまな要因との関連を調査するために多変量解析を実施した。
結果
血清Cr/CysCカットオフ値0.885を使用すると、全体的な死亡率(1000人年あたり)は低血清Cr/CysC比群で有意に高かった(69.2対28.6;ハザード比、2.47;95%信頼区間、1.06–5.79;p < 0.05)。同様に、呼吸器疾患による死亡率も高かった(37.8対8.2;ハザード比、4.68;95%信頼区間、1.05–20.9;p < 0.05)。多変量コックス比例ハザード分析により、血清Cr/CysCは、年齢や気流制限に関係なく、呼吸器疾患死亡の独立したリスク因子であることが明らかになった。

Fig. 2. All-cause mortality

Fig. 3. Respiratory disease-related mortality
結論
血清Cr/CysC比は、サルコペニアと重度の気流閉塞を特定するための貴重な臨床パラメーターである可能性がある。本研究の所見は、COPD患者におけるこの比率の予後予測としての有用性を強調している。
