1/fゆらぎについて

みなさん、1/fゆらぎについて、一度は耳にされている方も多いと思います。

かなり古い話ですが、1/fゆらぎ(または1/fノイズ)は、1950年代に物理学者のジョージ・E・ユージン(George Eugene Uhlenbeck)とレオナルド・マンデルブロット(Benoit Mandelbrot)によって独立に発見されました。ユージンは電気回路におけるノイズの研究を行っていた中で、この現象に気づきました。一方、マンデルブロットは経済データの分析を通じて1/fゆらぎに関する洞察を得ました。

1/fゆらぎは、その後多くの科学的分野で観察され、自然界や人間の活動における様々なプロセスにおいて重要な役割を果たしていることが明らかになりました。この現象は、完全にランダムでも完全に規則的でもない、中間的なダイナミクスを示すことが特徴といえます。

マンデルブロットは、フラクタル幾何学の開拓者としても知られており、1/fゆらぎの発見は、彼のフラクタル理論への道を開く重要なステップの一つでした。この理論は、自然界の複雑なパターンや構造を理解するための新しい視点といえます。いまだなおいろいろな分野で研究され、医学界でも応用・活用されています。。

1/fゆらぎ(または1/fノイズ)は、自然界に広く見られる現象で、音楽、心拍、脳波、地震など様々なシステムやプロセスにおいて観察されます。1/fゆらぎの特徴は、時間経過に伴う変化が完全にランダムでも完全に予測可能でもないという点です。この中間的な性質が、人間にとって心地よく感じられる理由の一つと考えられています。

私の趣味で恐縮ですが、キャンプでのたき火しながらのお酒は最高のなのですが、たき火の炎は、そのサイズ、形、色が絶えず変化し、この種のゆらぎの良い例となっています。人間の脳は、このような予測不可能だが完全にランダムではないパターンに強く引き付けられ、それがリラックスや集中の効果をもたらすと考えられているようです。つまり、たき火の炎を見ることが多くの人にとって落ち着く体験となるのは、この1/fゆらぎが関係している可能性が高いといわれています。

蛇足になりますが、たき火は季節や場所など条件がそろわないとできませんが、たき火の動画やDVDなどが簡単に入手でき、家でも疑似体験ができますので、たまには部屋の明かりを落として、たき火の炎をみながらのんびりするのはいかがでしょうか?

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