お酒のほどほどにというのはアルコール量としてはどのくらい?

「お酒のほどほどに」という表現は、一般的に適量のアルコール摂取を意味しますが、かなりあいまいな表現で、具体的にはどのくらいなのか調べてみました。もちろん、具体的な量は個人の体重、性別、健康状態、飲酒習慣などによって異なると思いますので、ここでは一般の健康成人での話取り上げたいと思います。

アルコールの適量について
男性: 1日に2杯まで
女性: 1日に1杯まで

ここでいう「1杯」とは、約14グラムの純アルコールを含む量を指します。

ビール(5%アルコール): 約350ml
ワイン(12%アルコール): 約150ml
ハードリカー(40%アルコール): 約45ml

ウイスキーでよくいわれる「シングル」「ダブル」「ジガー」の量は、それぞれシングルは1オンス(約30ml)。ダブルは2オンス(約60ml)。ジガーは通常1.5オンス(約45ml)の量です。

ということで、私の感覚ではかなり少ないなぁ~と感じます。

この適量の基準の背景ですが、このガイドラインは、多くの国の公衆衛生機関によって推奨されています。例えば、アメリカの「Dietary Guidelines for Americans」External Federal Resources | Dietary Guidelines for Americansでは、適量の飲酒が健康リスクを低減するとされています。適量を超える飲酒は、肝臓病、心臓病、睡眠障害、うつ病などのリスクを高める可能性があるそうです。

もちろん、これらのガイドラインは健康な成人に適用されます。妊娠中の女性や特定の健康問題を持つ人、またはアルコール依存症のリスクがある人は、アルコールを避けるべきです。個々の健康状態や体質によって、これらの量が適切でない場合もあります。

ALDH活性が低い人には十分かもしれませんが、上記の内容にはモヤモヤが残ります。具体的な将来のリスクに関しては、いろいろな研究で報告されています。たとえば、アルコールとがんのリスクですが、食道がんでは 過度の飲酒者は非飲酒者に比べて、食道がんのリスクが4倍以上になることが示されています(RR > 4.0)。また、口腔・咽頭がんでは過度の飲酒は、これらのがんのリスクを2~3倍に増加させると報告されています(RR = 2.0~3.0)。さらに、乳がんにおいて、適量を超える飲酒は乳がんのリスクを約1.5倍に増加させるとされています(RR ≈ 1.5)。一方、アルコールと肝臓病のリスクは皆さまがご存知のように、肝硬変のリスクが非飲酒者に比べて大幅に高いことが知られています。具体的なRRは研究によって異なりますが、非常に高いリスクが示されています。併せて、心臓病のリスクも上昇します。長期的な過度の飲酒は心筋症のリスクを高める可能性がありますが、具体的なRRは研究によって異なります。

昔から「酒は百薬の長」といわれるように、様々な効用がある反面、「過ぎたるは及ばざるが如し」でリスクがあることを承知の上、楽しくいただきたいものです。

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