The prevalence of obstructive sleep apnea in Japanese asthma patients
日本人喘息患者における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有病率
背景
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は共通の合併症を持つため、喘息患者において一般人口よりも頻繁に発生する。日本では、一般人口におけるOSAの有病率が約20%と報告されているが、喘息患者におけるOSAの有病率に関する報告は少ない。さらに、OSAと喘息を持つ日本人患者の特徴は不明確である。
方法
2017年8月31日から2019年3月31日までの間に、当施設の外来部門から成人喘息患者を募集した。全参加患者において、エプワース眠気尺度(ESS)と携帯型ポリソムノグラフィー(PSG)を使用した自宅睡眠検査(HST)により、OSAの存在と重症度が評価された。喘息患者におけるOSAの共存率と、OSAの重症度に応じた患者の特徴を調査した。
結果
53人の患者が含まれた。OSAは36人(67.9%)の患者に検出された(軽度、n=15; 中度、n=14; 重度、n=7)。OSAを持つ患者は、OSAを持たない患者と比較して、体重指数、ブリンクマン指数、無呼吸低呼吸指数(AHI)、3%酸素飽和度低下指数(ODI)の値が有意に高く、予測値の割合の強制肺活量(%FVC)と最低SpO2レベルが有意に低かった。OSAの重症度が増すにつれて、年齢、脳性ナトリウム利尿ペプチドレベル、AHI、3%ODIが増加し、対照的に、FVC、%FVC、1秒量(FEV1)、予測値の割合のFEV1(%FEV1)、エプワース眠気尺度(ESS)、3%ODI、最低SpO2レベルが減少した。特に、ESS値がOSAの重症度と逆相関していた事実は、OSAの一般的な特徴と異なる。さらに、AHI値はFVC、%FVC、FEV1、%FEV1と負の相関を示した。BMIはOSAの存在における唯一の独立した因子であり、喘息の重症度(FEV1、予測値の割合)には喫煙歴との弱い相関があった。


結論
本研究は、HSTを使用して日本の喘息患者におけるOSAの有病率を調査した初の報告である。この研究は、OSAがより重度であるほどESS値が低くなる可能性があるため、難治性疾患、低肺機能、高齢、高BMIを持つ喘息患者に対しては、睡眠面接に加えてHSTを実施すべきことを示唆している。
