Temporal Risk of Nonfatal Cardiovascular Events After Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation: A Population-based Study

Temporal Risk of Nonfatal Cardiovascular Events After Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation: A Population-based Study | American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (atsjournals.org)

COPD増悪後の非致死的な心血管イベントの時間的リスク:人口ベースの研究

背景： COPDの増悪後の心血管イベントの発生は認知されている。しかし、これまでの研究は試験の事後分析であり、増悪の重症度を区別していなかった。また、心血管アウトカムに死亡を含むものや、個々のアウトカムを時間的に探索するのに十分なパワーを持たないものがあった。

目的： 我々は、プライマリー医療でのCOPDコホートにおいて、中等度および重度の増悪と非致命的な入院を要する心血管イベントとの時間的関係を探索した。

方法： 2014年から2020年にかけて、イギリスのCOPD患者をClinical Practice Research Datalink Aurumの一次医療データベースから抽出した。インデックス日は最初のCOPD増悪の日、または増悪がない場合は確定診断された日とした。リンクされた病院データから急性冠症候群、不整脈、心不全、虚血性脳卒中、肺高血圧などの複合的および個別の心血管イベントを特定した。平均および時間層別の調整ハザード比（aHR）を推定するために調整されたコックス回帰モデルを使用した。

主な測定値と結果： 213,466人の患者の中で146,448人（68.6%）が何らかの増悪を経験した。119,124人（55.8%）が中等度の悪化、27,324人（12.8%）が重度の悪化を経験した。合計40,773件の心血管イベントが記録された。どの増悪後も（1-14日；aHR、3.19 [95%信頼区間（CI）、2.71-3.76]）に心血管の相対率が即時に見られ、その後も徐々に低下しながら1年後も高い効果が維持された（aHR、1.84 [95% CI、1.78-1.91]）。重度の増悪後1-14日にハザード比が最も高かった（aHR、14.5 [95% CI、12.2-17.3]）が、中等度の悪化後14-30日に最も高かった（aHR、1.94 [95% CI、1.63-2.31]）。重度の悪化後2週間で最も影響が大きかった心血管アウトカムは不整脈（aHR、12.7 [95% CI、10.3-15.7]）と心不全（aHR、8.31 [95% CI、6.79-10.2]）であった。

Figure 2. (A and B) Cumulative incidence for composite cardiovascular events for the chronic obstructive pulmonary disease population for exacerbation dichotomized (A) and stratified by severity (B). (A) Moderate or severe exacerbation: unadjusted hazard ratio (HR), 2.36 (95% confidence interval [CI], 2.30–2.42); adjusted HR, 1.84 (95% CI, 1.79–1.90). (B) Moderate exacerbation: unadjusted HR, 2.11 (95% CI, 2.06–2.17); adjusted HR, 1.67 (95% CI, 1.62–1.72). Severe exacerbation: unadjusted HR, 4.07 (95% CI, 3.94–4.21); adjusted HR, 3.18 (95% CI, 3.06–3.29). See Figures E2A and E2B for any exacerbation and exacerbation by severity, respectively, for identical but subset plots focusing on the first 100 days of follow-up to illustrate cumulative incidence in the immediate exacerbation aftermath. AECOPD = acute exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease.

結論： 中等度のCOPD増悪後の心血管イベントは、重度の悪化後よりやや遅れて発生したが、重症度に関わらず1年を超えても相対率は高いままであった。増悪直後の期間は、将来の心血管イベントを防ぐための臨床介入と治療最適化の重要となる。