Sputum microbiota and inflammatory subtypes in asthma, COPD, and its overlap

Sputum microbiota and inflammatory subtypes in asthma, COPD, and its overlap – ScienceDirect

喘息、COPDにおける喀痰微生物叢と炎症性サブタイプ、およびそれらのオーバーラップ

背景
喘息と慢性閉塞性肺疾患（COPD）のオーバーラップ（ACO）における気道微生物叢は未だ解明されていない。

目的
ACOを対象としたこの研究は、ACOおよびACOや慢性気道疾患でよく見られる混合性顆粒球性炎症における気道微生物叢を解明することを目的としている。

方法
これは観察横断研究であり、気流制限を伴う喘息患者、ACO、COPD患者が対象となった。血液検査、肺機能検査、呼気一酸化窒素検査、および喀痰検査が行われた。喀痰微生物叢は16S rRNA遺伝子シーケンシング技術を使用して評価された。

結果
合計112人の患者（喘息13人、ACO67人、COPD32人）が調査された。3つの疾患間でα多様性に有意な差はなかった。バクテロイデス門、バクテロイデス綱、およびポルフィロモナス属の相対的存在量は好酸球性炎症の減少と関連し、ACOではCOPDよりも有意に低かった。喀痰の炎症性サブタイプを比較したところ、ヘモフィルス属の割合は混合性顆粒球性サブタイプで数値的に最も高く、その次に好中球性サブタイプで高かった。同様に、ヘモフィルス属の割合は中等度から高（喀痰好酸球2％～8％）のグループで最も高く、重度（≥8％）の好酸球群で最も低かった。臨床的には、ヘモフィルス属の割合は喀痰症状と関連していた。最後に、レンサ球菌属の割合は血中好酸球数の増加および最も重度の気流制限と関連していた。

Fig 1. Sputum microbiota among patients with asthma with airflow limitation, ACO, and COPD. Relative abundances of bacteria at levels of (A) phylum, (B) class, and (C) genus. Bacteria for which relative abundance is 1% or more are presented. ∗The relative abundances of phylum Bacteroidetes,∗ class Bacteroidia,∗ and genera Porphyromonas∗ differed significantly across the 3 diseases (P < .05 by the Kruskal-Wallis test) with differences between COPD and ACO (P < .05 by the Steel-Dwass test for all). †The relative abundance of Fusobacterium differed significantly across the 3 diseases (P < .05 by the Kruskal-Wallis test) with differences between COPD and ACO (P < .05 by the Steel-Dwass test for all).

結論
喀痰中のバクテロイデス綱とポルフィロモナス属の存在量は低好酸球性フェノタイプと関連しており、ACOはこれらの分類群の減少によって特徴づけられる可能性がある。喀痰好酸球の軽度な増加はヘモフィルス属の存在を妨げるものではなく、閉塞性気道疾患の管理において留意する必要がある。