Underdiagnosis of COPD: The Japan COPD Real-World Data Epidemiological (CORE) Study
COPDの過小診断:日本COPDリアルワールドデータ疫学(CORE)研究
目的
日本における気流閉塞の有病率は3.8%から16.9%とされている。本研究は大規模なデータベースを基に日本における気流閉塞の有病率と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断率を再評価することを目的とした。
患者と方法
本研究では、JMDCから提供された健康保険組合の請求データおよび健康診断データを使用した。本研究には、2019年1月から12月の間にスパイロメトリーを含む健康診断を受けた40歳以上の個人のサブグループが含まれている。研究のエンドポイントは、気流閉塞の有病率、COPDの診断率、病期、および呼吸機能検査の結果である。
結果
102,190人の参加者のうち、4113人(4.0%)が気流閉塞を有していた。気流閉塞の有病率は男性で5.3%、女性で2.1%でした。研究集団の中で、現在喫煙者は6.8%であり、一方で喫煙経験のない者または過去に喫煙していた者は3.4%であった。さらに、COPDの有病率は年齢とともに増加していた。気流閉塞を有する参加者のうち、約8.4%がCOPDと診断されていた。COPDの診断状況に関しては、気流閉塞を有しCOPDと診断された参加者は、診断されていない者よりも進行した病期にあった。最後に、COPDと診断された患者は、FEV1/FVCおよびFEV1が有意に低い値を示した(p < 0.0001; Wilcoxon順位和検定)。

Figure 3 Diagnostic rates in the airflow obstruction group. (A) COPD in the airflow obstruction group. (B) Asthma and bronchiectasis in patients with and without COPD diagnosis.
結論
大規模なデータベースに基づいた疫学研究により、気流閉塞に関連するCOPDの診断率が明らかになった。健康診断を受けた個人の間でCOPDの診断率は非常に低く、この医療状態についての認識を高める必要があることが示された。さらに、プライマリケア医は疑われるCOPD患者を特定し、呼吸器専門医と協力してCOPDの早期発見を促進し、COPDの診断率を向上させるべきである。
