TVの街頭インタビューやSNSの切り抜き動画には、一見すると「リアルな声」や「瞬間的なおもしろさ」といった魅力がありますが・・・
1. 街頭インタビューの危険性について
● 文脈の切り取り(編集による印象操作):発言の一部だけを切り取って編集することで、発言者の本来の意図が歪められることがあります。
たとえば、本来は慎重な意見でも、強い意見だけを抜き出して「極端な人」として放送されることも。
● 同意とプライバシーの問題
インタビューを受けた際に撮影・放送の正式な同意(インフォームド・コンセント)がどこまで取られているか不明なケースもあるそうです。
顔が映ることで、本人が特定されて誹謗中傷の対象になるリスクがあります。
● 「一般人の声」の過剰な一般化:数人の意見を取り上げて「世間の声」として扱うのは、誤解を生む可能性が高いです。
意図せず、視聴者に「みんなこう思っている」というバイアスを植え付けることがあります。

管理人の友人でNHKの制作にかかわっている人からのあくまで一意見ですが、街頭インタビューは多数のVを取って、意見が偏らないように編集してからオンエアするそうです。あくまで、「つかみ」であって、興味を引いてもらって、その次にコメンテーターなり専門家なりが解説することが多いようです。
2. SNSの切り抜き動画の危険性
● コンテキストの喪失
切り抜き動画では、前後の文脈がわからないため、発言が誤解されやすいです。故意に炎上させる目的で、過激な部分だけを抽出する例もあります。
● 拡散のスピードと不可逆性
一度拡散されると、削除しても完全には元に戻せません。デマや誤解が拡散されると、個人や団体に甚大な reputational damage(風評被害) をもたらすことも、多々あります。
● 無断使用と著作権侵害
切り抜き動画の中には、本人の許可なく作成・公開されるケースも多く、肖像権や著作権の問題が発生しますので、法的な責任を追及される場合があります。
まとめますと、街頭インタビューや切り抜き動画は、感情的な反応が先行しやすく、冷静な議論を妨げるている可能性が高いと考えます。
情報の信頼性より「バズるかどうか」が重視されるはいかがなものかと危惧しており、本人の人生を左右するような社会的制裁(SNS炎上)が過剰になりやすいので安易に拡散するのは差来るべきだと思います。
では、どうすればいいか?
メディアは編集の透明性を高めて、放映には同意を明確に取る必要があると思います。また、「一部の声」を「一般の声」と誤認させないようにする配慮も必要です。
また、視聴者はインタビューや切り抜き動画をうのみにしないのが重要です。
なんでもかんでも、一次情報しか信用しないのはどうかと思いますが、一次情報と照らし合わせて自分の頭で考える習慣が必要です。とくに、切り抜きの場合は情報の出所と文脈を確認するまでは、情報の確度は保留する必要がります。
