A comparison of GOLD 2019 and 2023 recommendations to contemporaneous real-world inhaler treatment patterns for chronic obstructive pulmonary disease management in Singapore
GOLD 2019 および 2023 の推奨事項と、シンガポールにおけるCOPD管理のための同時期の実際の吸入器治療パターンとの比較
背景
2019年および2023年に、慢性閉塞性肺疾患（COPD）と高い増悪リスクを有する患者の治療を修正するための戦略について、Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) が最新のガイドラインを提供した。2019年のガイドライン以降の重要な更新として、吸入ステロイド薬（ICS）の治療決定において血中好酸球数を考慮することが推奨されている。本研究の目的は、これらの最新の推奨事項に基づく将来的な診療が、シンガポールの単一施設における現行の処方実践からどの程度逸脱するかを評価することにある。これは、2019年および2023年のGOLDガイドラインを遵守した場合を仮定した分析である。
方法
2018年10月から2020年4月にかけて、COPDの増悪で入院した40歳以上の患者を対象に、チャンギ総合病院のCOPDデータベースを用いた後ろ向きコホート解析を実施した。入院時に長時間作用性抗コリン薬（LAMA）、LAMA＋長時間作用性β2刺激薬（LABA）、またはICS＋LABAを使用していた患者が対象。GOLD 2019および2023年の推奨事項に基づき、治療エスカレーション（治療強化）が適用可能な患者の割合を算出した。
結果
合計で268人の患者が含まれた（平均年齢73歳、91%が男性）。入院時点で、19%がLAMA、59%がLAMA＋LABA、22%がICS＋LABAを使用していた。全体では、226人の患者がGOLD 2019または2023年の推奨事項に基づく治療エスカレーションの対象となった。このうち、31人（13.7%）はGOLD 2019ガイドラインに準拠した治療エスカレーションを受け、34人（15%）はGOLD 2023ガイドラインに準拠した治療エスカレーションを受けた。205人（76.5%）は入院時と同じ治療レジメンで退院した。気管支拡張薬使用後の1秒量（FEV1）が低いほどGOLD準拠の治療エスカレーションと関連しており（P＝0.028）、過去1年間の救急受診または入院回数が多いことも関連していた（P＝0.048）。
Concordance and discordance in treatment escalation as per GOLD 2019 and 2023 recommendations. GOLD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease; LAMA, long-acting muscarinic antagonist; eos, eosinophil; LABA, long-acting beta2-agonist; ICS, inhaled corticosteroid.
結論
現実の臨床診療と比較して、GOLD 2019および2023年の好酸球数に基づくアルゴリズムでは、治療エスカレーションが適用可能な患者の割合が有意に高い可能性がある。
