化石燃料といわれる石油や石炭は埋蔵量が限定され枯渇する言われて久しいのですが・・・
「石油や石炭などの化石燃料は将来枯渇する」とは何十年も前から言われてきましたが、現実にはまだ使われ続けていますし、枯渇の兆しもあまり見られないように感じるかもしれません。
その背景を少し考察してみます。そもそも可採年数は動的な指標であり、「あと〇年で枯渇する」という言い方はよく聞きますが、これは「現在の埋蔵量 ÷ 現在の年間消費量」**で計算されるものであり、新しい油田や炭鉱が発見されれば延びますし、消費量が増えれば短くなります。たとえば、石油は何十年も「あと40年」と言われてきましたが、実際には埋蔵量が増えて可採年数もほぼ横ばいか、むしろ増えているケースもあります。
一方で、過去には採掘できなかった深い地下や海底、あるいはシェール層(岩の中)からも石油や天然ガスを取り出せるようになりました。たとえば、技術の進歩による採掘可能量の増加したのではと思います。シェール革命では、水平掘削や水圧破砕といった技術で新たな資源が大量に得られるようになりました。これにより、可採埋蔵量(技術的・経済的に採掘可能な量)は増え続けています。

あと考えられるのが、経済的に原油価格が高騰すれば、以前は採算が取れなかった油田も「採掘可能」になりますし、政治的には、再生可能エネルギーや電気自動車への移行によって、需要が鈍化している部分もあると思います。したがって、すぐには枯渇するということはないかと思いますが、価格が高騰すれば使いにくくなるといういうことではないでしょうか。
「ポスト化石燃料時代」の本命のひとつとも言えるのが、人工的な石油やバイオ燃料です。化石燃料に代わる「持続可能な液体燃料」として、世界中で研究・開発・実用化が進められている分野です。
すでに一部、実用化されているのが第一世代バイオ燃料です。サトウキビ、トウモロコシ、小麦などの食料作物を使って作るバイオエタノール(ガソリンの代替)、バイオディーゼルなどが主にアメリカやブラジルで実用化されています。 メリットは技術的にはすでに成熟されており、ガソリンとの混合燃料としてすでに使われているところです。ただし、食糧との競合がある(食料価格が高騰する恐れ)のデメリットといえます。
第二世代バイオ燃料も注目されています。木材チップや藁、廃棄バイオマスなどの非可食部分を使う「セルロース系エタノール」などが代表例です。
食料と競合しない。廃棄物の有効活用などがメリットですが、まだまだ製造コストがまだ高く、技術的に難しい面があるようです。
最も期待されているのが、第三世代バイオ燃料で、藻類(アルガ)などを使って、油を生成するもので、高効率で、CO₂吸収も兼ねられるます。
生産効率が高く、環境にもやさしい。いうことなしですね。ただ、まだ研究段階、コストが非常に高いので今後はいかにコストを抑えあれるかが焦点となります。

このほかには、e-Fuelなどもありますが、製造に電力多くかかり、実用化にはかなりのハードルがあると思います。
