Increased Risk of Severe Cardiovascular Events Following Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Results of the EXACOS-CV Study in Japan
慢性閉塞性肺疾患増悪後の重篤な心血管イベントリスク増加: 日本におけるEXACOS-CV試験の結果
はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重篤な増悪は、心血管イベントのリスクを高めることが知られている。しかし、この関連性は、日本のCOPD患者に特有の特徴(西欧、米国、カナダの患者とは異なる)については調査されていない。
方法
この縦断的後ろ向きコホート研究では、二次請求データを分析し、40歳以上のCOPD患者(国際疾病分類-10コードJ41–J44)を対象とした。追跡期間中に発生したすべての増悪を記録した。タイム・ディペンデント・コックスモデルを使用して、COPDの増悪後の期間(最初の増悪前の期間と比較して)と重篤な致死性または非致死性の心血管イベントの初回入院の発生との関連を推定するためのハザード比(HR)を計算した。
結果
解析には、COPD患者152,712人が含まれ、平均年齢は73.8歳で、そのうち37.6%が女性であった。中央値37ヶ月の追跡期間中に、63,182人(41.4%)の患者が1回以上の増悪を経験し、13,314人(8.7%)の患者が1回以上の重篤な心血管イベントを経験した。COPDの増悪後、重篤な心血管イベントのリスクは最初の30日間に増加し [調整後HR (aHR) 1.44, 95%信頼区間 (CI) 1.33–1.55]、増悪後365日間にわたって高いままであった (aHR 1.13, 95% CI 1.04–1.23)。特に、急性冠症候群や不整脈のリスクは180日間まで有意に増加し、うっ血性心不全のリスクは1年間増加し続けた。

結論
日本のCOPD患者において、COPDの増悪後に重篤な心血管イベントを経験するリスクが増加し、そのリスクは365日間高いままであることが明らかになった。これは増悪を予防する必要性を強調している。
