Epidemiology and Risk Factors of Eosinophilic Esophagitis in Japan: A Population-Based Study

Epidemiology and Risk Factors of Eosinophilic Esophagitis in Japan: A Population-Based Study – ScienceDirect

日本における好酸球性食道炎の疫学と危険因子: 集団ベースの研究

背景と目的
好酸球性食道炎(EoE)の診断は、世界的に増加しているが、アジアでの一般人口を対象とした研究はほとんどなかった。本研究の目的は、日本の一般人口におけるEoEの疫学を調査することである。

方法
2005年1月から2022年9月までの雇用主ベースの健康保険請求データベースを分析した。EoEの症例は、国際疾病分類第10版(ICD-10)のコードK20.0に基づいて特定した。EoEの発症率と有病率は、それぞれポアソン回帰および二項分布を用いて算出した。各EoE症例に対して10人のマッチした対照を用いたネスティッドケースコントロール研究を行い、EoEの潜在的なリスク因子を特定した。

結果
15,200,895人のうち、1010例のEoEが確認された。EoEの発症率と有病率は、2022年にはそれぞれ100,000人年あたり2.82(95%信頼区間[CI], 2.44–3.26)および100,000人あたり10.68(95% CI, 10.01–11.37)であり、2017年と比較して約3倍および8倍に増加した。喫煙はEoEのリスクの低下と関連していた(オッズ比[OR], 0.45, 0.36–0.56, P < .001)が、アルコール消費(OR, 1.51, 1.21–1.88, P < .001)はEoEのリスク増加と、いくつかのアレルギー疾患や精神疾患と共に関連していた。EoEは、体格指数(BMI)や高血圧、糖尿病、高尿酸血症、脂質異常症などの生活習慣病とは関連していなかった。

Figure 2. EoE prevalence and incidence rates for subpopulations by age, sex, and year. (A) EoE prevalence plotted against year. (B) EoE prevalence plotted against year groups stratified by sex. (C) EoE incidence rate plotted against year. (D) EoE incidence rate plotted against year groups stratified by sex. (E) EoE incidence rate plotted against age groups. (F) EoE incidence rate plotted against age groups stratified by sex. Error bars on the bar plot represent the 95% CIs for incidence rates. PY, person-year.

結論
日本におけるEoEの発症率と有病率は、過去20年間で着実に増加している。それでもなお、日本でのEoEは、アメリカや西ヨーロッパに比べて少ないままである。EoEの疫学に寄与する要因を世界的に理解することは、遺伝的および環境的リスク因子の寄与を解明する助けとなる可能性がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です