National trend in the prevalence and mortality of COPD in South Korea from 2008 to 2017
2008年から2017年までの韓国におけるCOPDの有病率と死亡率の全国傾向
背景
韓国における慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する既存の研究は、全人口を対象としておらず、小規模なサンプルに依存している。したがって、本研究は韓国全体の人口を対象に、COPDの有病率および死亡率を調査することを目的とした。
方法
この系列横断研究では、2008年から2017年の国家健康情報データベースと死亡原因統計をリンクさせて、国のデータベースを使用した。COPDの診断には、ICD-10(国際疾病分類第10版)のコードJ41–J44またはCOPD関連の入院歴を使用し、40歳以上の成人を対象とした。2008年から2017年の間に、粗有病率、年齢調整および性別調整された有病率と死亡率を算出した。2017年のデータを使用し、多変量ポアソン回帰モデルにより、COPDと全死亡率および原因別死亡率の関連を推定し、発生率比(IRR)と95%信頼区間(CI)を提示した。
結果
年齢調整後のCOPD有病率は、2008年の7.9%から2017年の16.7%へと両性別で著しく増加した。糖尿病、高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患、がん、骨粗鬆症、結核の有病率は、COPD群で非COPD群よりも高かったことが示された(すべてのp<0.001)。脳卒中や心筋梗塞の発症率(すべてのp<0.001)および全体の死亡率は、COPD群で高く、調整後のIRRは1.23(95% CI 1.22-1.24、p<0.001)であった。特に肺がんによる死亡率と発生率は、他のがんに比べてCOPDを持たない群よりも高く、調整後のIRRは2.51(95% CI 2.42-2.60、p<0.001)であった。さらに、下気道疾患(調整後IRR 16.62、95% CI 15.07-18.33、p<0.001)、喘息(調整後IRR 6.41、95% CI 5.47-7.51、p<0.001)、気管支拡張症(調整後IRR 11.77、95% CI 7.59-18.26、p<0.001)の発症率と死亡リスクも、COPD群で有意に高かった。
考察
本研究では、韓国におけるCOPDの有病率が2009年の9.2%から2018年の16.7%へと徐々に増加していることを示した。さらに、全死亡率においても、COPD群は非COPD群に比べて有意に高かった。COPD群の死亡率は全体の死亡率よりもかなり高かったものの、徐々に減少していることが確認された。

Trends in COPD mortality between 2008 and 2017 among groups with or without COPD.
