COPD Subtypes Are Differentially Associated With Cardiovascular Events and COPD Exacerbations
COPDのサブタイプは、心血管イベントやCOPDの増悪と異なる関連が存在する
背景
冠動脈カルシウムスコア(CACS)および肺動脈と大動脈の直径比(PA比)は、それぞれ心血管イベントやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)悪化の予測因子として胸部CTスキャンから測定されている。しかし、これらの予測因子と臨床転帰の相互関係についてはほとんど知られていない。また、COPDのサブタイプが臨床転帰に与える予後的な影響についても十分に解明されていない。
研究課題
これら2つの胸部CTスキャン由来のパラメーターは、異なるCOPDサブタイプにおいて、その後の心血管イベントやCOPD悪化をどのように予測できるか?
研究デザインと方法
COPDGene研究データを使用し、COPD患者(GOLD基準の肺機能グレード2〜4)の心血管疾患(CVD)およびCOPD悪化リスクを前向きに評価した。研究登録時のCACSおよびPA比に焦点を当て、ロジスティック回帰モデルを使用してこれらの転帰を解析した。対象としたCOPDの3つのサブタイプは、非気腫優勢型疾患(NEPD)(−950 Hounsfieldユニットでの低吸収エリア[LAA-950] < 5%)の1,042人、気腫優勢型疾患(EPD)(LAA-950 ≥ 10%)の1,324人、中間型気腫疾患(5% ≤ LAA-950 < 10%)の465人であった。
結果
CACSが高い患者(中央値以上)では、心血管イベントのリスクが有意に高く(オッズ比[OR] 1.61; 95%信頼区間[CI], 1.30-2.00)、PA比が高い患者(PA
比 ≥ 1)ではCOPD悪化のリスクが増加していた(OR 1.80; 95% CI, 1.46-2.23)。特に、NEPD患者ではこれらの指標と臨床イベントとの関連がEPD患者よりも強いことが示された(CACSとCVDの関連: NEPD vs EPD OR 2.02 vs 1.41; PA比とCOPD悪化の関連: NEPD vs EPD OR 2.50 vs 1.65)。COPDサブタイプ間でのORの違いは、CACSとCVDに関して統計的に有意であった。
解釈
2つの胸部CTスキャンパラメーターであるCACSとPA比は、心血管イベントおよびCOPD悪化を予測する上で、特定のCOPDサブタイプによって異なる予測価値を持つことが示された。
