Susceptible Young Adults and Development of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Later in Life
感受性の高い若年成人と後年の慢性閉塞性肺疾患の発症
根拠: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、早期のライフステージに起源を持ち、GOLDでは「pre-COPD」と呼ばれる病前の状態を提唱しています。
目的: 慢性気管支炎および軽度の肺機能障害が認められる感受性の高い若年成人が、後にCOPDを発症するという仮説を検証した。
方法: 喫煙時代の異なる2つの一般集団ベースのコホート、2003年のコペンハーゲン一般集団研究(N=5,497)および1976-1978年のコペンハーゲン市心臓研究(N=2,609)から、COPDを有していない20~50歳の無作為な個人を対象に、10年間および25年間追跡調査を行い、COPD(FEV1/FVC < 0.70)およびCOPD GOLDステージ2-4(FEV1が予測値の80%未満)を発症するかを観察した。
測定および主要結果: 10年後、COPDに感受性がある個人では28%がCOPDを発症し、13%がCOPD GOLDステージ2-4を発症した。これに対し、COPDに感受性がない個人ではそれぞれ8%および1%であった。同様に、25年後には感受性がある個人の22%がCOPDを発症し、20%がCOPD GOLDステージ2-4を発症した。COPDの新規発症例の半数以上は感受性のある状態から発展していた。COPDに感受性がない人と比較して、COPDに感受性のある人のCOPD発症に対する多変量調整後のオッズ比は、10年後でCOPDが3.42(95%信頼区間: 2.78–4.21)、COPD GOLDステージ2-4が10.1(6.77–15.2)、25年後ではそれぞれ1.54(1.23–1.93)および2.12(1.64–2.73)であった。喫煙や喘息をリスク因子とするCOPDリスクスコアのCOPD発症予測能力は高いものであった。
結論: この研究は、将来的にCOPDを発症するリスクのある感受性の高い個人を早期に特定するために使用できる「COPDの病前状態」が存在することを示唆している。
