Asthma and hypertension: the role of airway inflammation
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喘息と高血圧:気道炎症の役割
はじめに
喘息は慢性の炎症性呼吸器疾患であり、しばしば併存疾患を伴う。心血管系の併存疾患の中でも、動脈性高血圧症は喘息患者に追加の健康負担をもたらす可能性があるが、この関係に関するエビデンスは十分ではない。
目的
本研究は、炎症がこれらの疾患間の関連性として機能する可能性に焦点を当て、高血圧を伴う喘息患者の特徴を評価することを目的としている。
方法
単一施設の喘息リファーラルセンターにて、誘発喀痰(IS)を実施した喘息患者を連続的に対象とした後ろ向き分析を実施した。患者は高血圧の既往の有無に基づき2つのグループに分けられた。臨床的、機能的、および炎症(気道および全身)のデータが収集された。
結果
260名の喘息患者のデータが分析され、そのうち79名(30.4%)が特定の薬物治療を必要とする高血圧の診断を受けていた。高血圧を伴う喘息患者は、正常血圧の患者と比較して男性である頻度が高く(p = 0.047)、年齢が高く(p < 0.001)、体格指数(BMI)が高い傾向が見られた(p < 0.001)。喘息のコントロール、重症度、薬物治療に関しては、両グループ間で差は見られなかった(全てのp > 0.05)。併存疾患の分布と肺機能障害(1秒量(FEV1)および努力肺活量(FVC); いずれもp < 0.05)は統計的に異なっていた。高血圧を伴う喘息患者では混合型の顆粒球性気道炎症が多く認められた(p = 0.014)。興味深いことに、多変量解析により、年齢が65歳以上であることおよび喀痰中の好中球割合が61%以上であることが高血圧の独立した予測因子であることが明らかになった(p < 0.001)。

Figure 2. Factors associated with hypertension: effects of older age and higher neutrophils count (and their combinations) on the risk of having hypertension. Predictors of hypertension were reported as odds ratio (OR) and 95% confidence interval (CI). IS, induced sputum.
結論
我々のデータは、誘発喀痰によって評価される好中球性気道炎症が高血圧と密接に関連していることを示唆している。臨床において、高血圧などの併存疾患を持つ喘息患者の表現型を特定することは、治療的観点からも有用な可能性がある。喘息と心血管疾患における好中球性気道炎症の役割をさらに解明するために、追加の研究が不可欠である。
