たまごは何個まで食べても大丈夫?
日本人が、一人あたり年間300個以上を食べる国民食「卵」。この20年間、1パック200円台前半の安さを維持し、“物価の優等生”と呼ばれてきました。ところが今年に入って、一時300円を超える高値が続いています。私事ごとで恐縮ですが、卵は大好物で1日1個はおいしくいただいております。
一方で、卵の栄養が身近に摂れる完全栄養といわれており、健康に良いものだとされています。タンパク質が豊富な食品のため筋肉量増加や基礎代謝アップにつながります。その結果、痩せやすい体作りのサポートになるようです。また、ビタミンやミネラルもバランスよく同時に摂取することができるため、コーラーゲンや髪の毛を健康的に保つことができるといわれています。しかし、「過ぎたるは及ばざるが如し」いう言葉があるように、食べすぎるとかえって健康を害するのではないかとふと思い、調べてみました。

卵1個にはLサイズ186mgのコレステロールが含まれているため、コレステロール摂取により上昇する可能性は十分ありますね。一方、「卵摂取によりLDL-CとHDL-Cをそれぞれ上昇させるが、L/H比(善玉コレステロールに対する悪玉コレステロールの割合)は上昇させない」という報告もあり、すぐさま動脈硬化に悪影響があるとは言えないようです。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29111915/
他の疾患はどうかというと、卵を1日1個以上摂取すると、最低限の摂取と比較して心不全になる確率が1.25倍(1.12~1.39倍)になるという報告があったり、糖尿病の方限定ですが、心筋梗塞になる確率が1.69倍(1.09~2.62倍)と上昇しているので、糖尿病の方は卵の消費を控えるよう注意喚起している論文もあります。(1日1個以上)また、乳がんでは週2~5個の卵を食べる方と週1個未満の方と比較すると、1.04倍(1.01~1.08倍)とわずかにリスクが上昇する報告もあります。
では、どうすればいいのか?みなさまもすでにご承知かもしれませんが、卵は1日1個を目安として数多くの研究がなされています。賛否両論あるところですが、「1日1個までなら健康によいのでは」とする論文が多いようです。私見ではありますが、卵は1日1個は許容できる。健康に不安がある方や糖尿病など患っている方はほどほどにした方良いというのが私の結論です。結局、どんな食べ物にも利点欠点があるので、それを十分承知の上で美味しくいただくのがよろしいのではと思う次第です。
